2019年12月5日木曜日

最終回 地域の医療と介護と人をつなぐ「チームもりおか」

住み慣れた場所で最期まで自分らしく暮らせる仕組みづくり。その実現のために奮闘し、さまざまな形で支えてきた在宅医療連携拠点事業所「チームもりおか」。その活動を紹介します。

多職種連携をスムーズに行うための役割


 「私たちがやっているのは、医療と介護と利用者の間の橋渡しをする『通訳』みたいなものじゃないかと思います」と話すのは、チームもりおか所長の板垣園子さん。
 チームもりおかは、平成23年度、国のモデル事業「在宅医療連携拠点事業」を受託。現在は盛岡市の「在宅医療介護連携推進事業」を、盛岡市医師会とともに実施しています。
 この事業の目的は、「在宅医療と介護の連携」。カギとなるのが、地域連携、多職種連携です。
 チームもりおかの活動は多岐にわたりますが、中でも大きな部分を占めているのが、医療・介護関係者の相談窓口、研修会など情報共有とスキルアップの場の開催。それに加え、一般向けの勉強会や相談窓口も行っています。
 自身の仕事を『通訳』とたとえた板垣さんですが、まさにそのとおり! 専門職同士、利用者間のコミュニケーションを助け、人と物事をつなぐための方法を模索し続けてきました。
 「試行錯誤しながら積み重ねてきたノウハウを、これからも生かしていきたいですね」と板垣さん。



チームもりおか所長の
板垣園子さん。
経験豊富な看護師さんでもあります

地域と人にフォーカス。「出前講座」も実施


 チームもりおかの事業は多くの人に支えられています。
 たとえば医師、看護師、薬剤師。ケアマネジャー、ホームヘルパー。理学療法士、作業療法士。社会福祉士、ソーシャルワーカー、地域包括支援センターのスタッフなど多彩な顔触れ。日々の情報交換はもちろん、研修会や懇親会など活発な交流を図っています。
 チームもりおかの母体は、平成14年開院の、「もりおか往診クリニック(現もりおか往診ホームケアクリニック)」。開院時より地域の関係機関との連携を大事にし、緩やかなネットワークづくりに努めてきたことが今につながっているのです。
 一般人向けの事業も行っており、「医療と介護の出前講座」はうれしい企画。盛岡市内の団体やグループなどで5人以上の参加者がいれば、専門職が出むいて話してくれます。
 介護、医療、健康、など豊富なテーマから選ぶことができ、希望のテーマの相談にも応じます。講座は平日午後の約60分。費用は無料。2ヵ月前までの申し込みが必要です。
 地域に密着した活動を続けてきたチームもりおかですが、板垣さんが変わらず思っていること。それは、
 「住み慣れた場所といいますが、それは建物とかそういうハコではなく、大切な人や思いのある心地いい場所のことです」
 高齢化の波は避けようがありませんが、困っていること、こうしたいという思いを口にすれば、必ずどこかにつながる時代でもあることを、ぜひ心にとどめておいてほしいと思います。


■医療法人葵会 在宅医療連携拠点事業所 チームもりおか
電話 019(681)7653
http://www.mhcclinic.jp/TM/

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