2019年11月15日金曜日

9 家で診てもらう「在宅医療」という選択を考えてみませんか

外来、入院と並び、「第三の医療」といわれる在宅医療。これからの時代、ますます重要度が増すとされる在宅医療ですが、いったいどんなものなのでしょうか。

信頼関係を築くところからがスタート


 在宅医療という言葉は聞いたことはあっても、具体的にはよくわからないという人も多いかもしれません。そこで、もりおか往診ホームケアクリニックの医師、岩井正勝さんに話を聞きました。
 在宅医療とは、どんなふうに行っているのですか?
 「ほぼ月2回の訪問診療と、具合が悪くなった時に連絡を受けて出向く往診という組み合わせがベース。医師が交代で24時間対応しています」
 在宅医療を利用しているのは、おもに通院が困難になった人。脳卒中や心臓病、認知症などさまざまな病気の患者さんと向き合いながら、心掛けているのはどんなところなのでしょう。
 「最初の関係性づくりがいちばん大事です。在宅医療は通院や入院から切り替わるケースがほとんどですが、家でどんなことをしてもらえるのか不安に思う方が多いのが事実。説明をしっかり行い、その方の気持ちをすくい上げ、丁寧に対応することで、少しずつ信頼関係が築けるんじゃないかと思います」
 症状を落ち着かせるための万全のマネジメントを行い、自宅でその人が望む過ごし方ができるようサポートするのが在宅医療の在り方。病院とは異なる役割を担い、一人ひとりに寄り添う医療を提供しています。
 「自宅だと患者さんというより、家族であり、ひとりの人としていられるんですね。そういう人の笑顔を見られるのが在宅医の特権だと思っています」と岩井先生。



もりおか往診ホームケア
クリニックの岩井正勝先生。
「自宅でも施設でも、その方が
暮らす場所が在宅の現場です」

すごく大変になる一歩手前でぜひ相談を


 どんな状態になったら在宅医療に切り替えるのか、悩む人も多いでしょう。
 「基本は通院が大変になった時。でも、できればものすごく大変になる一歩手前で考えてみてほしいですね。そうすれば、自宅でいい状態で過ごせる時間が少しでも増やせるかもしれません」と岩井先生は話します。
 在宅医療機関を探すには、まずは地元の自治体や医師会のホームページをチェック。在宅医療の項目から探すことができます。
 かかりつけの病院でも相談可能。相談窓口を設け、ソーシャルワーカーがいる病院も増えてきているので希望を伝えてみましょう。ケアマネジャーや地域包括支援センターも頼りになる相談先。経験者の口コミも有力な情報です。
 在宅医療に関しては、まだ理解されていないことも多いようです。でも療養生活には在宅医療という選択肢があり、真摯に取り組む医療関係者が大勢いることを、まずはぜひ知ってほしいと思います。

盛岡の在宅医療機関の問い合わせは下記でも受付可能

●在宅医療連携拠点事業所 チームもりおか 電話 019(681)7653
●盛岡市医師会 電話 019(625)5311

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