2019年10月25日金曜日

6 デイサービスはどこも同じと思っていませんか?

「富山型」を実践する一軒家のデイサービス

 デイサービス(通所介護)はどこも同じ。しかも、介護保険のルールによってサービスに細かい決まりがあると思っていませんか?
 少し極端な言い方ですが、制度上定められているのは、スタッフの人員配置と設備の基準のみ。運営内容は事業所に任されており、サービスに独自の特徴を打ち出すところも増えてきています。
 そのなかでもちょっとユニークなデイサービスを紹介しましょう。
 盛岡市みたけにある「デイサービスきさいや」は、築40年余りの木造家屋を利用したデイサービス。縁側やふすまもそのままの、なんとも家庭的な雰囲気です。
 きさいやは、赤ちゃんからお年寄り、障がいのあるなしに関係なく受け入れる「富山型デイサービス」を実践。代表の末廣光揮(すえひろみつき)さんがその理念に共感し、4年前にオープンさせました。
 一日に決まったプログラムはなく、その時に合わせて臨機応変。
 テレビを見たりおしゃべりしたり、懐かしい歌をうたったり。天気がよければ散歩やドライブに出かけることも。昼食も献立から調理、後片付けまで、みんなで決め、それぞれができることをやるというスタイルです。
 ここで大事にしているのは日常。「庭の草が気になれば草むしりする。日々の暮らしそのものが、その人らしくいられる証ですよね」と末廣さんは話します。


知り合いの家でのんびり過ごす雰囲気。
「きさいや」とは、末廣さんの故郷・
愛媛の言葉で「おでんせ」という意味だとか


開かれた空間。ご近所さんが気軽に出入り

 きさいやは、地域とのつながりも大きな特徴。オープン当初、興味津々で訪れた子どもたちがきっかけで、さまざまな人が出入りする環境が生まれたといいます。
 放課後やって来る近所の小中学生、地域の催しの打ち合わせに集う人たち。利用者と訪問者の隔てなく、いろんな人がいて当たり前というコンセプトを実現しているように見えました。
 規模やサービスなど、デイサービスにはいくつもの選択肢があります。ケアマネジャーや地域包括支援センターなどに相談しながら探してみてくださいね。


キッチンではさまざまなミーティングも。
正面の男性が、認知症カフェの代表の野中さん


認知症カフェの会場にも
 きさいやは、地元の人たちが月に1回開いている認知症カフェ「カフェ・ド・みたけ」にも場所を提供しています。コーヒー片手に、自由に話せるカフェは、誰でも参加自由。
●開催日時/毎月第1日曜 10時〜14時
●参加費/200円
●問い合わせ/石蕗(つわ)の会 野中 TEL.019-641-7580

■デイサービスきさいや
盛岡市みたけ6‐11‐40
TEL.019-656-8172



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